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会長の部屋

Chairman's room

代表取締役社長齊藤直樹

明幸薬品株式会社
代表取締役会長
齊 藤 直 樹


代表プロフィール

昭和46年5月、仙台生まれ
東北学院高等学校、中央大学法学部法律学科卒業
マーケティングリサーチ会社を経て入社
平成14年   取締役経営企画室長
平成17年   常務取締役
平成21年   代表取締役社長
令和3年より 現職

明幸薬品株式会社は、おかげさまで長年の営業を続けております。創業以来、大事にして来た「ことば」が弊社の社是と企業理念であり、その託された「思い」を大事にすることによって、常にお客さまから信頼され選択され続ける企業を目指して来ました。
また、企業環境も目まぐるしく変化する世の中においては、常に「企業は環境適応業」という意識を高く持ち新しいことにも挑戦し続けております。
この「会長の部屋」は、当社の社是・企業理念の一言一言を私なりに解釈して社内グループウェアに投稿して来た文章を再編し、社外の皆さまに垣間見ていただき、当社のことを少しでも知っていただけるようにつくったページです。当社へのイメージが少しでも沸いてくださればこの上ない幸せです。

[ 企業理念1 やる気 ]

本日から、当社の企業理念について、私なりの解説をしたいと思います。
やる気、根気、勇気、陽気、執念。

五大精神をもとに、自己目標を常に高く持ち、研鑽し、いつも感謝の心で社会に貢献しよう。

今回は、「やる気」についてです。
「やる気」について、私が頭にピンと来ることは「まず思う(目標をもつ)」ということです。
人は、まず思わなければ、自分の力を発揮することも出来ません。
「空を飛びたい」と思ったからこそ、人は飛行機を作ることが出来ました。
現在のパナソニックを創設した松下幸之助氏も潤沢な資金繰り(いわゆるダム経営)をしたいと思ったら、まずそうしたいと思うことから全てが始まると言ったそうです。

みなさんは会社で何をしたいと「思う」でしょうか?そして「やる気」をもつでしょうか?

何も無い、ただ漫然と目の前にある仕事をしてお給料をいただく人は、会社理念にそぐわない無用の人ということになります。

個々人の思い(目標)は「お金を儲ける」とか「家族を養う」とか様々でしょう。
思いが定まっている人は、それを実践するために日々の努力と共に創意工夫や改善を自然にするものです。

創意工夫(改善)とは、どんなものでしょうか?

創意工夫とは、掃除でいえば「今日は縦からほうきを掃いてみたから、明日は横から掃いてみよう」と仕事の正確さや効率UPに努めることです。また、社員どうし、手が空いていれば他の社員に声がけしてみる、分からないことや疑問に思うことがあれば率直に問うてみるといった行動を通じて互いの連携を強めることで、自分の思いに協力してくれる仲間をつくることも創意工夫の一つです。会社は皆の力で大きな仕事ができる場なのですから大いに協力してください。

そしてこのような個々人の思いの実現を後押しする力は、自分だけ良ければという思いには味方してくれません。最終的には、利他のこころを忘れずに行動することが自らの思いを実現するための周囲の力を得る最大の基礎となるはずです。

当社の「やる気」には、「熱い思い」・「努力」・「創意工夫(改善)」・「利他」、このような意味があると私は思っています。

[ 企業理念2 根気 ]

やる気、根気、勇気、陽気、執念

今回は、その2と題して根気について解説したいと思います。

私の掲示板を毎回、読んでくださる社員は根気があると言えるかも知れません。
また、会社に来るというだけでも根気がある行為と言えるかも知れません。

根気とは、辞書を引くと「物事を飽きずに長くやり続ける気力」と記されていますが、元は植物が大地に根を張って、たとえ砂漠であっても懸命に生きるさまを表しています。

皆さんそれぞれ長くやり続けていることがあるかと思います。私はというと小学生の通学路の交通安全を守る地域ボランティアを毎朝40分ほど続けて10年くらいになります。飽きずにやっていますが、ほぼ禅僧の座禅に近い行為かも知れません。そのような、毎日同じ作業(単純作業)を繰り返していても気が付くことがたくさんあります。例えば帽子のつば先から「冬至を境にして日が高くなったな」などと自然を体感することもあります。また、毎回、子どもたちに「おはようございます」の挨拶をするのですが、返してくれない子もいます。そんな時には、どうしたらこの子は挨拶を返してくれるだろうかと半分いたずら心で戦略・検討を重ねることもあります。「おはようございます」の声色やイントネーションを変えてみたり、何メートルの距離で発声すればいいかなど、今ではだいぶ確率が上がっております。

才能があっても、根気が無ければ意味がないといいます。よいアイディアや計画を花火のように打ち上げても根気よく継続した努力を続けなければ、確かに物事は成功しません。昔の話ですから今は通用しないかも知れませんが、昔のとあるドクターは新規面会希望の営業マンを門前払いしますが、名刺が10枚貯まると晴れて面会できるというドクターもいました。また、あるメーカーのMRが持っていったケーキをドクターがその場で踏み潰し「二度と来るな!」と言われてもMRは次の日も次の日もケーキを買って行き、やがては大口の取引先となったという逸話もあります。

余談をたくさんしてしまいましたが、「やる気(目標)」は、根気を伴ったたゆまない努力(行動)によって成功に導かれるということです。その際にやる気は強烈な願望にまで高められ、努力は誰にも負けない努力であることが必要だと考えています。そのことについては執念の項で後日述べたいと思います。

当社社員にとって「根気」は具体的な目標を成功に導くための努力にとって不可欠な要素(エッセンス)だということです。

[ 企業理念3 勇気 ]

やる気、根気、勇気、陽気、執念

今回は、その3と題して勇気について解説したいと思います。

皆さんは勇気というと、どんなイメージをお持ちでしょうか?

勇気を出して営業先に飛び込む、クレーム対応をするなど、勇ましい意気込み、困難や危険を恐れず顧みない心、なども勇気の一つでしょう。人生を生きるためには必要な気力の一つだと思います。

それと共に勇気にはもう一つの意味があると私は思っています。それは、誘惑や脅威に対して善悪の判断に基づいて正しく(勇気をもって)対処する力です。人は生きている間、どうしてもこれらの敵(誘惑や脅し)に遭遇することがあります。これらに対処するためには、善悪の判断が大切であり、その善悪の判断の元になるものは、子どもの頃から両親や学校の先生から教わった「あれをやってはいけない、他人が嫌がることをしてはいけない」といった、とても単純なことで事足りるのです。

「勇気」とは勇ましい心意気であると共に、誘惑や脅しに負けない善悪の判断に基づいた行動を実践する力であることも忘れずにいたいものです。常に善きことを思い、善きことを実践すれば周囲からの大きな力も得られることでしょう。

[ 企業理念4 陽気 ]

やる気、根気、勇気、陽気、執念

今回は、その4と題して陽気について解説したいと思います。

陽気を辞書で調べると、①「春らしい陽気」のように気候を表す他、②「気分。雰囲気などがはればれしていること。にぎやかで明るいこと。また、そのさま」、③「万物生成の根本となる二気の一。万物が今まさに生まれ出て、活動しようとする気。陽の気。⇔陰気」という意味まであるそうです。③は正に活気に満ち溢れるさまがみてとれるようです。

世間では、人の表面だけをみて、「あの人は明るい」とか「根暗」だとか判断しがちですが、陽気かどうかはその人の物の考え方と捉え方次第だと私は思います。どんなに表面上、明るい振る舞いや言動をしていたとしても根本的に後ろ向きな考え方ばかりする人は陽気な人とは言えません。それにしても、やはり人は、はればれとして活気に満ちている人の姿に魅了されるものです。

仕事に関していえば、ある計画をし、実行するプロセスにおいては「楽観的にアイディアを出し、悲観的に計画し、楽観的に実行せよ」といいます。つまり、アイディアを出す際にはあれこれ思い悩んで、どうせダメだなどと思わずに、ああなったら面白い!こうなったら素敵だな!などと、どんどん理想を出すべきです。そして、いざ計画の段になったら緻密に詳細に計画を練り、あらゆる場面を想定して計画実現に向けて頭を振り絞るのです。そして、実際の活動は、実に楽観的にはればれと行うというものです。「繊細かつ大胆に」とか「胆大心小」という言葉に似ているかも知れません。

陽気な心根は、五大精神のなかでも「やる気」と共に、全てを包含する力の一つです。

[ 企業理念5 執念 ]

やる気、根気、勇気、陽気、執念

今回は、当社五大精神の最後に執念について解説したいと思います。

執念というと「あの人は執念深い」など悪いイメージを持つ人もいるかも知れません。また、執念と執着を同じように捉える人もいると思います。

実際、辞書を引いてみると、執念とは、ある一つのことを深く思いつめる心。執着してそこから動かない心とも書いてあります。ただ、言葉の使用例をみると、「執念をもってやり遂げる」「執念を燃やす」とあります。一方の執着は、一つのことに心をとらわれて、そこから離れられないことと書いてあります。その言葉の使用例は、「金に執着する」「執着心」

同じでしょうか?私は、執念と執着の間に明確な違いを見出しています。
執念とは、私なりの解釈でいえば「燃える闘魂(荒々しい態度ではなく、静かな強い信念と行動を表します)」、「強烈な願望と誰にも負けない努力」といったものであり、「こうありたい」と思い続ける姿と行動を表すと思っています。会社や仕事においては、常に競合他社との熾烈な争いを続けています。そのような中において、私たちは常に執念を燃やす必要があるのです。

一方、執着とは何かに固執するということであり、善いことではありません。モノやカネ、自分自身の欲望に余りに執着すると自分自身を見失うことや周囲の協力(他力)を失うことにもなりかねません。抹香臭い話になりますが、仏教でいえば般若心経の教えの中に「こだわらず、とらわれず、かたよらず」があります。このことばは正に何かに執着することを戒めることばだと思っています。

[ 当社の社是について(解釈) ]

今まで、当社理念である五大精神について解説して来ました。

今回は当社社是である「自分を生かし他にも利を与えよ。」です。

皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか?
「会社だから税金をいっぱい払うことが社会に役立つことか?」とか「自分だって恵まれて無いのにそんなことできるか!」と思う人も中にはいるかも知れません。

私の考えを述べます。まず、人間は生まれてきて誰の役にもたったことのない人は一人もいないということです。

このように、だまっていても我々は与え、与えられてこの世界は回っているわけですが、そのことに常におもいを抱き、感謝し続けるかどうかで、我々のこころ向きは変わってくると思うのです。

この素直に感謝する気持ちで日々を過ごすことは、我々のこころのバランスが保たれ、また、協力(他力)を得る源にもなると私は思っています。

そして、この世界にはびこる様々な問題は、「自分を生かし他にも利を与えよ」という利他(隣人を愛すると言っても同じかも知れません)のこころを頂点とし、そして、人間というこの世の万物の長に与えられた自由に対しての責任感(戒め)、そして善きことを実践する努力(行動)があればほとんどのことが解決に導くことが出来ると考え、当社の社是にはこのような思いが込められていると私は思っています。

[ 松下幸之助の言葉(連載によせて) ]

今まで、19回に亘って松下幸之助のほぼ生に近い言葉を連載して来ました。社員の皆さんは、どのように感じたでしょうか。

日本における松下幸之助の評価は偉大な企業家や商売人としての評価ばかりがクローズアップされておりますが、海外では、それと同時に偉大な哲学者と捉えられているようです。今回改めて文章を読み返してみても、そのように感じる人も多いのではないでしょうか。松下の思想や人間性について、稚拙ながら解釈してみたいと思います。

松下の思想の根底として第一に挙げられるものは、「人間の尊厳」であり、「人間重視」の思想であると思います。つまり、「人が人として生き、存在していることを、かけがえのない価値である」としています。

それと同時に、「人間は万物の長である」と謳っています。しかし、そこには、驕りの心はみじんも見られず、むしろ万物に対する慈悲心(利他心)や、万物に対する押し潰されるほどの責任論を展開しています。

連載の中における松下の「人間尊重、人間大事」について触れると、他者に対する感謝や誰に対しても素直に耳を傾ける姿勢、物の道理を大切にするなど、その根底には松下自身の人との接し方には、素直に人を認める心があり、それこそが彼を人生の成功者に導いたものと考えられます。

また、仕事に対する考え方は、目標を持つこと、熱意から創意工夫が生まれること、努力が道を切り開くことが基本となっています。まっすぐに、ここでも素直に仕事に取り組むことが成功に向かうことを語っています。

以前、当社の社是の解釈について、次のように記しています。

〝この世界にはびこる様々な問題は、「自分を生かし他にも利を与えよ」という利他のこころを頂点とし、そして、人間というこの世の万物の長に与えられた自由に対しての責任感(戒め)、そして善きことを実践する努力(行動)があればほとんどのことが解決に導くことが出来ると思っています。

松下の思想の根幹に一致していることに私自身驚きました。

当社の社是に「素直な心(姿勢)」が加われば、我々自身も心身共により豊かな人生を送ることが出来ると信じております。

この新型コロナのパンデミックの時代に、もし松下が生きていたら、社会をどのように咤激励し行動したでしょう。きっと、科学一辺倒な判断や無責任な政治判断を一喝し、我々や子どもたちの人生をかけがえのないものとして、考えられる行動をとったのではないでしょうか。

以上をもって、松下幸之助の連載の締めくくりとしたいと思います。

今回の連載を通じて、社員それぞれの人生の一助となることができれば、この上ない幸せです。

[ 鈴木敏文氏のマーケティング理論(連載によせて) ]

今回は、14回にわたって日本セブンイレブンを創設した鈴木敏文氏の理論をベースに連載をしました。

氏が一貫して何度も伝えようとしていることは、どんなことだったでしょうか?
それは、「常に変化に対応すること」ではなかったかと思います。そして、どんどん変わっていく世の中に対して、自分がその変化に対応するためには、ちいさなことにも気を配り、情報を収集して活かすこと、また、過去の経験に捉われず、むしろ逆のことをしてみるといった発想の転換をすることによって常に新鮮な自分でいることが重要であると氏は説いています。

連載の冒頭でもお伝えしましたが、氏は次のように述べています。「われわれにとっての最大の競争相手は、世の中の変化であり、この変化への対応力を失ったとき、いかなる過去の強者、覇者といえども破綻は免れません。セブンイレブンの事業は、「そんなものは成功しない」という周囲の反対を押し切ってはじめました。そのとき、日本の流通業界のトップに立つことになるとは、だれも想像しなかったはずです。つねに過去の経験を捨て、仮説・検証に基づいた自己革新、イノベーションを図りながら創造的破壊に取り組み続けてきたからだと考えています。」

氏は業界のトップに立ってもなお、その栄光にすがることはありませんでした。栄光とは過去であり、今現在の実績も過去に基づいているからです。このように、われわれは商売をしている以上、常に世の中の変化との競争を続ける必要があるのです。

今年の年頭、2020年度の株主総会「今後の計画」の頁を社員のみなさんにお示ししました。その頁は次のように締めくくっています。「東和薬品宮城販売は21世紀の元気のよい会社として、「信頼され選択され続ける会社」になることを最大目標として、どんな環境の変化にも対応できる「適応力」の強化に努めて参りたいと思います。」
当社も常に世の中の変化へ適応し続けることを意識して経営していることが分かると思います。

以上をもって、鈴木敏文氏の連載を終わりたいと思います。みなさんのご愛読ありがとうございました。これからも当社が進化し続ける会社になりますよう、ご協力をお願いいたします。

[ なぜ「心」がテーマなのか ]

これまで、当社の社是・理念、松下幸之助論を含め、企業運営において様々な見解や理論を示してきました。そこに共通事項を見い出すことが出来ると思います。
それはすべて「心」がテーマであることです。「人生哲学」と言ってもいいかも知れません。なぜでしょうか。

私なりの見解を述べますと、当然のことながら人間は感情(「心」)をもった生きもので、それに引っ張られた生き方(行動)をしているからです。
つまり、人間は、「行動(事実)」と「感情(「心」)」が複雑に絡み合って意思決定をしながら生活しています(=自分の行動を事実と感情に分離してみると冷静になることができます)。だからこそ、意思決定をする際には今まで述べてきた善き判断基準を使いながら全員で有意義な人生をおくっていきたいと願っています。

では、最終的に有意義な人生とはどんな人生でしょうか。いろいろな言い方が世間ではされていると思いますが、私は、人間にはそれぞれに偶然与えられた人生(運命)というものがあり、基本的にはそれを懸命に生きること自体、当社の社是である「自分を生かし他にも利を与えよ」、つまり、〝人間は生きているだけで他に利を与え、また与えられて生きている″ということにつながると思っています。

付け加えるならば、人間の運命というものは自分自身の心の持ちようで、良くも悪くも変えられると思っています。それを因果応報といい、善きことを思い善きことを実行(努力)すれば時間軸のズレは多少あるかも知れませんが必ず人生(運命)に良い変化が訪れると思っています。昔から「天は自ら助くる者を助く」、キリスト教でも「門をたたきなさい。そうすれば、開かれる。(マタイによる福音書)」、仏教でも「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや(歎異抄)」と言います。織物で例えれば縦の糸(運命)と横の糸(因果応報)の関係です。

このようなことから、人生や仕事に関する書物を紐解いてみても必ず最後は「心」に結び付くのです(今話題の渋沢栄一も著書『論語と算盤(ソロバン)』において、商いと道徳心は相互に補完し合うものであることを強調しています)。

人生のうち、仕事に費やす時間は一日の大半を占めるものです。そうであるならば、仕事を通した善き運命づくりを一生懸命実践するのも我々にとっては、とても有意義な人生の過ごし方ではないでしょうか。そのためには、今まで連載して来た善き判断基準が必要であり、それが「心」につながっているのです。